P氏の論文発表のときにオポーネントになってくれたA氏は
サウスケンジントンにあるロンドン自然史博物館の研究員。
「遊びにおいで」と仰るので遊びに行った。
ロマネスク様式の立派な本館に接続して造られた
ダーウィン・センターという近代的な建物は
公開標本収蔵庫になっており乾燥標本や液浸標本、
作業中スタッフの姿などを見学することができる施設になっている。
館公式ページには「2200万標本からなる全長27km の標本棚」
とあるが、ほんとによくもまあ、と感心するしかないほど
綺麗に精密に整理されている。
2200万てたぶん乾燥標本は数に入れてない数字なんじゃないかな。
キュレーターって、ものすごい根気と忍耐の人々に違いない。
A氏案内のもと、アルコール漬けのありとあらゆる動物を見せてもらう。
9m近いダイオウイカの標本を筆頭に魚類、爬虫類、哺乳類などの標本が
四方の壁にぎっしり並んでいる大部屋は、ちょっと怖かった。
標本自体よりも、変色したアルコールの色に気分が悪くなる。
ダーウィンがビーグル号で採集してきた標本を見せてもらった。感激。
「お偉方が来たときにも見せられない、政治的にまずい標本」
という、微妙なシロモノも見せてもらう。
トラファルガー広場